Press Release

「ヘルスケア・イノベーション・フォーラム 2021」から IQVIA Institute for Human Data Science による新たなレポートを発表

糖尿病管理のイノベーションとその価値評価を事例に、 持続可能な日本の医療制度について提言
11 30, 2021

糖尿病管理のイノベーションとその価値評価を事例に、 持続可能な日本の医療制度について提言

IQVIA Institute for Human Data Scienceは、日本イーライリリー社と米国研究製薬工業協会(PhRMA)の共催により2021年6月9日に開催された『ヘルスケア・イノベーション・フォーラム2021(以下HIF2021)』の内容をベースとしたレポート「医療制度の持続可能性:糖尿病を事例に」を発行しました。本レポートでは、糖尿病管理のイノベーションと、それらが持つ価値の向上を評価することにより、持続可能性を高める日本の医療制度のあり方を提言するもので、持続可能な医療制度を構成する要素を次の4つにまとめ、それらを包括的に検討することで、最も効率の良い方法で最適な治療と健康アウトカムの実現を目指し、今後とるべき行動などをまとめています。

<持続可能な医療制度を構成する4要素>

  1. イノベーション: 医療技術、薬剤、医療提供体制や医療従事者の対応能力についての継続的なイノベーション。そしてイノベーションが、そのベネフィットの評価を向上できるような高い適応性、予見可能性と透明性を備えた測定と評価の仕組みに基づいていることが重要。
  2. 予算の適正化:不必要な支出を最小限に抑えつつ、エビデンスに基づいて患者アウトカムを最大化する効率的かつ柔軟な資源配分。
  3. データとデジタル化:効果的なデータ収集と分析。個々の患者や医療制度レベルの意思決定に活用する。
  4. 患者のアクセス、体験、最善の治療:患者や医療従事者の体験とアクセスの最適化。イノベーションを最適かつ持続的に活用し、医療制度への投資に対し最大の利益をもたらす。

少子高齢化の進展にともない、日本の医療制度は持続可能性が脅かされる様々な課題に直面しており、今後はより効率的で効果的な医療制度を確立するための措置を講じる必要が求められつつあります。 最新の糖尿病治療における進歩は、血糖管理の改善、患者の負担軽減、総合的な健康アウトカムの改善、治療や予算の効率化といった形で価値を高める可能性を秘めており、持続可能な医療の事例として糖尿病を検討することで、医療制度改革の重要性、イノベーションの役割やそれによって得られる潜在的なベネフィットを強調することができます。

本レポートは糖尿病を事例に政策上の解決策を示しましたが、この提案は患者はもとより医療の持続性や社会に同様に影響の大きい、他の慢性疾患でも活用することができます。

*本レポートは、イーライリリー・アンド・カンパニーの協賛のもとHIF2021 の議論についてIQVIA Institute が独自に作成したものです。日本語版レポートはこちら

*本レポートの目次
糖尿病の事例:持続可能性に向けて

  • 日本における糖尿病治療の現状
  • 最適ではない治療アウトカム
  • 財政への大きな影響
  • データの活用不足
  • イノベーションと最善の治療の包括的導入への障壁
  • 糖尿病治療における持続可能なモデルとは
  • 技術とシステムの継続的なイノベーション
  • 効果的なデータ活用とデジタル化
  • 患者と医療従事者による最善の治療経験へのアクセス
  • 効率的で柔軟な予算の活用
政策への提言
  • 提言1:複数年にわたるアウトカムを考慮し、予算への影響も緩和できるようなエビデンスに基づいた視点で、イノベーションへの投資を推進する
  • 提言2:医療制度の効率性と持続可能性を改善するために医療制度全体の改革においてバランスのとれたエビデンスに基づくアプローチを進める
  • 提言3:デジタルソリューションとデータ収集を推進し、医療の効率性と効果を向上させ、長期的な持続可能性へとつなげていく
  • 提言4:患者と医療従事者の体験を最適化し、最良のケアへのアクセスを確保する
結論/行動の呼びかけ
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