熊本地震、三和化学など工場の操業停止

医薬品流通は大きな問題なく【無料公開】

 最大震度7を記録した28日の「令和8年熊本地震」によって、熊本県内の製薬・医薬品卸各社にも影響が出ている。29日の午後7時までに日刊薬業が把握したところでは、一部の工場が操業を停止。卸については、一部の営業所が被災したものの、医薬品供給自体は大きな問題は起こっていない。

 三和化学研究所は、宇土市の工場の操業を停止した上で、建屋や設備の被害状況を確認している。ただ、稼働再開の見通しは立っていない。

 日本マイクロバイオファーマが八代市に持つ原薬などを製造する工場は、29日の段階で人や設備に被害は発生していないものの、一時的に操業を止めている。安全を確認できれば稼働を再開するが、時期は未定だという。

 熊本市内に本社があるKMバイオロジクスは29日、事業継続に支障を来すような重大な事態は発生していないと発表。従業員や家族にも重大なけがなどは確認されていない。

 一方、日本製薬工業協会は、X(旧ツイッター)上で「政府・関係機関や会員会社と緊密に連携し、状況把握に努めるとともに、必要な医薬品を迅速に提供できるよう備えていく」とコメントした。

●物流は一部被害発生、供給には支障なし

 医薬品流通では、アルフレッサ ホールディングス(HD)、メディパルHD、東邦HDの3社は、28日時点で業務に著しく影響する被害が発生していないことを確認していた。残る広域卸のスズケンは29日、自宅が損壊した社員はいるものの、グループ社員全員の無事を確認したことを発表した。ただ、子会社「翔薬」の八代支店で停電と断水が発生。他の支店や倉庫でも商品が落下したが、事業継続に影響がない程度まで復旧できている。

 地方卸のうち、フォレストHDは、社内に災害対策本部を立ち上げて対応に当たっている。富田薬品は人的被害や建物の損傷などはないものの、八代市の八代物流センターで多くの製品が棚から落下。原状復帰に向けて作業を進めているが、製品供給への大きな影響は確認されていない。新生堂は、八代市の営業所で停電や断水が発生。固定電話もつながらず、担当者の携帯電話を通じて医療機関とやりとりしているが、医薬品供給自体に支障は起こっていないとしている。

 ただ、依然として九州自動車道や南九州自動車道の一部区間が通行止めになるなど、今回の地震がもたらした交通インフラへの影響や復旧見通しは不透明で、各社は迂回や減便などの対応を取りつつ、動向を注視している。

 日本医薬品卸売業連合会も29日、災害対策本部を設置し、会員構成会社を通じて被災地の被害状況や配送状況、必要な支援などの確認を始めた。(日刊薬業取材班)

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