熊本地震、各社対応に追われる
28日午後7時30分時点
熊本県を中心とした九州地方で28日午後4時27分ごろに「令和8年熊本地震」が発生。マグニチュード7.1、最大震度7の大きな揺れが襲った。現地に本社や事業所を持つ医薬品卸や製薬各社は、従業員の安否や被害状況の確認などに追われている。日刊薬業の取材情報をまとめた。
アルフレッサ ホールディングス(HD)、メディパルHD、スズケン、東邦HDの広域卸4社や、九州地区で事業を行うフォレストHDは、地震発生直後から情報収集を行った。午後6時30分ごろの時点では、事業継続が困難になるほどの著しい人的・物的被害は確認されていないようだ。
アルフレッサHDはグループ事業所で一時停電が発生したが、間もなく復旧。メディパルHDもグループ事業所で停電が発生した。東邦HDは熊本県荒尾市の物流拠点「TBC九州」で一部の製品が落下したものの、不良品の選別を行った上で出荷業務を行うという。
ただ、地震によって九州自動車道、南九州自動車道、宮崎自動車道の高速道路一部区間で通行止めが起きている。それらを含めて交通インフラの被害状況が判明しておらず、余震も懸念されるため、各社は安定供給や従業員・家族の安全確保など、さまざまな観点から、引き続き情報収集に努めている。
熊本県内には、熊本市北区にKMバイオロジクスの本社がある。同社は「けが人や工場の稼働状況は現在情報収集中」と回答。また熊本県宇土市には三和化学研究所の工場があり、同社も「事実の確認に追われている状況」とコメントした。
●製薬協、対策本部立ち上げ
日本製薬工業協会は、被災地への医薬品提供の手順や、災害時に必要とされる医薬品リストを盛り込んだ「災害時医療用医薬品提供マニュアル」に沿って対応する方針。製薬協は日刊薬業に対し、「厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課の要請に基づき、災害対策本部を立ち上げて対応に当たりたい」と答えた。
同災害マニュアルは、東日本大震災の教訓を踏まえて策定されたもの。厚労省産情課が被災地への医薬品提供が必要と判断した場合には、同対策本部が平時から準備している「災害対策用医薬品リスト」を基に、「提供医薬品リスト」を作成し、会員企業に協力を要請する。
産情課の安中健課長は日刊薬業の取材に対し、「午後5時30分時点で製薬企業などから被害の報告は来ていないが、地震の規模が大きいため、緊張感を持って情報収集に当たっている」と述べた。(大塚 達也、日刊薬業取材班)