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能登北部の支援強化、「重装JMAT」派遣へ  日医【無料公開】

2024/1/18 12:00

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「重装JMAT」の派遣を進めると説明した細川常任理事=17日、日医会館

 能登半島地震の被害が大きい石川県北部への医療支援を強化するため、日本医師会は、通常のJMAT(日医災害医療チーム)よりも装備を強化した「重装JMAT」の派遣を進める。17日の会見で、細川秀一常任理事が説明した。

 県北部の輪島市、珠洲市などでは甚大な被害が生じているが、道路の寸断などでアクセスが難しく、JMAT隊が十分に活動できていないのが現状だ。16日、被災地では35隊152人が活動したが、主な派遣先は穴水町、志賀町となっている。

 DMAT(災害派遣医療チーム)として災害急性期に対応する活動を終えた後、JMATとして活動している例も多い。こうした隊は、通常のJMATと比べて年齢層が若く、体力があり、北部へのアクセス能力が高い。

 今後は、こうした隊を「重装JMAT」と位置付けて県北部に派遣し、より多くのJMATが北部で活動できる足がかりとしたい構えだ。

●1.5次、2次避難所へも

 金沢市など県南部への1.5次、2次避難所へのJMAT派遣も始めた。県庁内に置いたJMAT調整本部と同じ階に、1.5次、2次避難所への派遣調整本部も設置した。

 細川氏は「1.5次、2次避難所では、もともと高齢化率が高いこともあり、薬の服用などを含めた医療支援ニーズがあることを確認している。JMATとして派遣されているのは、普段は地域のかかりつけ医として活動している開業医も多く、そうした経験を生かすことができるのではないか」と話した。

●「服用薬の把握」「情報連携」に課題

 一方、1.5次、2次避難所の課題として、「避難した住民の薬が枯渇し、お薬手帳を持参していないため、服用していた薬を把握するのが困難なケースが見られる」と指摘した。

 被災地には多くの医療支援チームが入っているものの、「情報共有ができていないケースがある」とも説明。長期的な医療支援に向け、情報共有の強化が必要だと訴えた。【MEDIFAX】

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